テーマは「人体同士の柔らかな重なり表現」だという。ていうか、「乳」である。「向かい合った男女が抱き合うさまをアニメーションで表現」するのだという。というよりも、乳であり、且つ、尻であり、そしてまたしても「乳」である。

男子にとって「乳」とは、まったくもって未知の物質であり、どのような動き方をするのか皆目見当もつかないわけではあるが、さてしかし、乳を作り、そして動かすために、CGを修得し、そのエナジーとパッションに支えられて今日の私があるなどというわけでも全然ないが、とにかく、「接触」によって乳は動き、また変形しようというのであれば、そしてCGがソフトマスィーンである人間を描写しようと欲望する限りにおいては、それは、CGが表現しなければならない、いや、表現せざろうえない事である、のかどうかを問うてばかりいると、うっかり、乳を動かし過ぎ、それは「リアル」から垂離した、形而上乳を生み出すこととなるであろう危惧をはらみつつ、迫る締切、走るネコ。どうするどうなる接触表現。乳じゃないところを動かすのを忘れてるぞ。

それはそれとして、今回の敗因は、やはりモデリングとセットアップの至らなさである。当初、さほど動かさないつもりだったため、いかんせんポリゴンが足りなかった。ちゃんと動きを見据えたポリゴンの配置が何といっても重要である。以後、気をつけます。

乳は抱き寄せられて男の胸に接触。つぶれて余ったz方向分の容積は、x、y方向へ広がる。また、体が下に移動しながら接触しているため、上方向に多めにふくらむ。顔同士も接触し、女の右頬はつぶれると同時に摩擦で後方へ多少引っぱられながら動く。人の肌は結構摩擦がかかり、あまりするするとは動かず、女の左手も、動くときには一気にズルっと動く。相手は肩甲骨なので、男の方はさほど変形しない。やがて、男の腕に力が入り、ギュっとされ、お互いの上腕の接触部分がつぶれ、それに押された乳もさらに横方向に変形。男の脇にあたった女の前腕もつぶれ、脇も多少押される。肩と左頬も接触。肩は筋肉なのであまり変形しないが頬はぐにゃりとする。

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